出社前の数分間を、何とか何時もやり過ごし一路会社へとハンドルを握る。
新事業部の商材の最終チェックと、少しずつ目の当たりにすべき現実をもそれと一緒に乗せ、スタッフ各々が動き回る。
正午前、保険会社担当者との打ち合わせの後、しばらく会社で過ごし、夕暮れ前に何時もお世話になるM田氏の会社を訪問する。ほぼ同世代だが業界での経験は私の数倍もあり、それでも衰えないそのベタさを少しだけ分けていただく。過ごすこと数時間、M部氏も合流する。
・・・・今日はどうもM部氏の誕生日だったらしい・・・。
私の記憶との一日のずれを言い訳に、閉店間際の焼肉店で炭を囲む。
誕生の意味と、少しずつその想いとずれていく毎年必ず繰り返される同じ日を、今回はどの様に迎えたのだろう。
店を出ると、霧雨が身体を撫でる・・・。