年輪

ふっと振り向いた瞬間のその人の積み重ね続けられた人生観は、総じて正しいものなのだろうか・・・。

今日は予想通りの慌しい一日の始まりであった。午前中に前日アポを頂いていたお客様との商談の後、野暮用を済ませに銀行へと車を走らせる。
相変わらずの月末の窓口の長蛇の列に、なぜかしらと身を投じ、慌しく雑務を数件・・・。夕刻前に、ご贔屓のお客様にお時間頂き、当て所ない物事によって引き起こされる事象について・・・しばしお相手いただく。
受け入れがたい事実の存在する現実空間に、忽然と放り出された瞬間に始めて意識する、各々の存在意義の儚さに、それでも結局進み続けようとする・・・霊長類人科の空しさを感じる。

しばし工場で対峙する最終チェック段階の車たちに、明日の自身を省みようと、精一杯の愛情を注ぎ続ける。やはり彼らもまた輪廻の狭間を彷徨った末にこんなちっぽけな自身の前に存在するのだろうか。
残業途中の社員と、決算期ということで個人面談。現実世界の力量と空想世界での理想が・・・どうしようもないジレンマとして自身の全身へ虚脱感として覆いかぶさる。
進むべき瞬間と守るべき瞬間の区別のない自身の能力によって、各々の能力が阻害されぬように只管にがんばるのみである。せめて今だけでも・・。

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