上空1万キロメートルの景色は、雲海と言うのだろうか積層の雲の厚さは見当もつかず、当然雲下の景色などは想像もつかない。
そんな状況へ誘ってくれる飛行機が自身を旅へと駆り立てるのかもしれない。
とりたてて名所旧跡や世界の景勝地を訪れたい欲はなく、むしろ、道中に巡り合う偶然の連続を期待して彷徨き廻ることの方が、自身の目的とかしてる感がある。
で、機内に戻ると、定速ではあるのだろうが数時間を過ごすと脳の一部機能なのだろうかと錯覚するほど馴染んでしまったジェットエンジンの回転音が、程よく自身の精神状態を一点集中の状態に誘い、ひたすらに、雲海の上の霞のない青と現生を覆い尽くす厚雲だけ白が、本来世界はシンプルにできているのだと言うことを実感させてくれる。
さぁ、現実世界へ。