某ホテルの一室の・・・・円卓を囲む皆々である。
テーブルマナーとは裏腹の下品な生き物が、毎年一度だけ必要に迫られる時間である。
消費されるアルコールの量と、食される洋風の高級食材は、普段の倹約な温かさとは相反し、寄せ飾る量はさほど無くとも、単品でデコレートされる其々の瞬間の主役達を食するとなると、それはそれでしっかりと満腹中枢を刺激してくれる。
スパークリングワイン、赤ワイン、白ワイン・・・・食材に合わせて注がれつつける連鎖的ソムリエの選抜に、非常に耐性の低い自身にとっては、打ち首前の清め酒にも似た至極の一杯である。
日付が変わる頃の自身は、同時期にして肉体と精神はちぐはくなまでに変化して、1歩進める肉体の4歩先に自身の心意気を・・・2歩後ろにまどろむ気持ちを其々に・・・何とか宴の席の終焉に立ち会える・・・。
可能な限り余韻を楽しもうと奮い立たせる全身全霊のラストランも、着飾れたクリスマスのイルミネーションを階下に覗くホテルの部屋に放出し・・・・そう、生理的に放出し・・・そのまま目覚めることなく耳鳴りと自身の鼓動を子守唄に静かに・・・静かに更けて行く。
何はともあれ、自身の中の一区切り・・・明日からは全社ひた走るのみ・・・。