普段と変わらない、スィエルヴワテュールの気がする。
自他共に認める極寒の地に根を下ろしたことを・・・、そんな天性の感覚をこの時期だけは恨んでしまう。
この底冷えぶりを、どの様に伝えるべきか・・・これはもはや自身に課せられた責務である。
・・・・10W40のオイルを注ぐその間に・・・、作業のその間に、今日の他愛無い出来事の一つを話しつくせる事・・・。
・・・・油まみれの手を洗ったその直後、明らかな温度差が故に、瞬間的に蒸気だった手の存在が痛ましく想われる事・・・。
・・・・車道に立ちすくみふっと振り返った瞬間に、視界に飛び込むクリスマスのイルミネーションに「マッチ売りの少女」の童話を思い出す事・・・。
とてもではないが、なんとも尋常ではいられない気がしてならない。
工場の片隅で深深と身を潜める、大事なお客様のご子息ご子女達が、暗のうちに静かに語りかける・・・
もうすぐクリスマスですから・・・。