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こなもん食堂

 「建国記念日」と友人の新たなる「建国」を祝うべく、腐れ縁の共々と遠州灘より吹き抜ける風に逢いに・・・・片道7時間の倹約旅行である。
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 忘却の彼方へとは置き忘れることのできない・・・もはや、この年になると、人生の伴侶にも似た擬似相関の元にひきつけられる様、友人4人と今回の暗黙の地を目指す。

 折に触れ葛藤の真っ只中の胸の内を語り聞く・・・、所詮我々には、彼自身の選択する全てを「良」として受け入れることしか選択肢は無く、すでに始まってしまった事後報告のその様を其々に想像する。
 旅の足は、只管に「鉄路」を使用し、自身の中にも知らずに溢れ出る感慨の念を素直に言動にしながら、白い目の視線も何のその、駅弁だ何だと、旅のお供と共に退屈と無縁の旅路を過ごす。

 すっかり日の落ちた御前崎のその街は、人も疎らの・・・・四方や瞬間的なその友人の「建国」の地の経済に不安を動物的に察するも、レンタカーに身を寄せ合い、ナビゲーターの無機質な音声案内を頼りにしばし走り続ける・・・。
 予定到着時刻よりやや早めの21時前・・・、目的地の・・・・我々の乏しい創造力とは合い塗れぬ佇まいの3Dのその姿を目の当たりにする。
 旧式の自動ドアに、あえて友人の選択を感じ、暖簾越しに入り口を2つ・・・威勢のいい他人行儀の掛け声の後の・・・恐らく事実の確認に多少の時間を要したのだろう、嫌、事実確認中の友人の顔である。

 そう・・・、我々の今回のミッションは「秘匿性」が最大の売りだったのである。

 お互いに抱えるこの想定外のリスクは、祝宴には再考の演出であり「・・・らしい」はずである。

 前述の察するものとは裏腹に、愛する家族を守るべく・・・愛すべき己自身を奮い立たせるべく・・・・精一杯の愛情で接客するその様は、自身にも必要であることの再確認には十分な演出である。

 でもって、この過疎の地の深夜に、酌み交わす杯を求め友人に腐心して貰うも、行き着いた先は外国人タレントの多数在籍する・・・・一人の友人曰く、昭和そのもの・・・らしい。

 うだうだと酔いどれの時間が過ぎ、友人宅に宿を授かり雑魚寝のその姿に、お互いが費やしたはずの知らずの10数年が有意義であったことを確信する。


 結局、他愛も無い小旅行ではあったものの、童心に返るほど年齢を重ねた「おっさん」達の、どうしようもない程愉快な旅であったということである・・・。

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