M氏のランチアオーバーホール記（1）

　ご依頼の内容は、

1. クラッチオーバーホール


2. 各マウント類交換


3. クラッチレリーズシリンダー交換


4. その他順次追加項目

　今回の作業内容は、所謂「走行距離」に準じたもので、当然各部位共に必要と思われる作業と思われます。それと、オーナーの感覚及び、癖に準じたよう点検項目も今回の作業を機に点検していきます。

作業のスキームとしては、

1. 実装状態での目視での確認

(ロアーム等のブッシュにもかなりの劣化が進行しており、追加での作業も考慮に入れる)
　

2. 各エンジン及びセンサーハーネスの取り外し及び各パイピングの取り外し

(年式的なものと車輌特有(特にイタリア車)の物で、プラスティック類が熱によりかなり劣化が進んでおり、特に注意を払いつつヒートガン等を利用し注意を払いながらの作業の為かなりセンシティブな作業である）
3. メンバーに換装状態でのエンジン及びミッションの脱着

(構造的に実装状態での作業が困難であるのと、マウント類等並行する作業もある為、この方法での作業）



4. エンジンとミッションとの分離
5. クラッチハウジング近辺の清掃

(ミッションインプットシャフト部よりのオイル漏れの為かかなりの脱脂作業が必要であった)



6. 新品のクラッチの組み付け

(所謂３点KITでの交換である)
※この際、レリーズベアリングの組み付け工程を間違えた為、ミッションの組みつけにかなり苦労を強いられた。