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1泊2日

 月も半ば・・・、会社を開けた2日で急に忙しく為り始めた。
 「伊丹」発「熊本」行きの最終便2Aのシートの回りは人影も疎らに、時計の時刻だけが粛々と時を刻む・・・。

 色々と・・・垣間見ざる得ない現実の時の流れの中で過ごした2日間は、10数年間鬱積していたかもしれない・・・出発前に想い描いていた虚像と、そう易々と繰り返す事の不可能なこの現実世界とを重ね合わせた貴重な時間で・・・、色々な時間の狭間に追いやられた感のある幼心の自身に対峙した不思議な時間を過ごした。

 其処に存在する・・・少し硬直気味の空間と、罪悪感を解き放ちたい懺悔の念にも似た発せられる言葉と・・・、間違いなく受け継いでしまった事実を事実と感じる・・・否定できない血の流れと・・・とりあえず、久しく酔えない酒を飲んだ気がする。
 ただそれは・・・・不器用で矛盾する事なのかもしれないがある種心地よく・・・

 飲むたびに覚醒する過去の記憶と、針の飛びかけたレコード盤のように繰り返される・・・この年になっても感じる不思議な感覚に、自身の口から発する当たり前の「名詞」が、恥ずかしげもなく連呼される・・・。

 空港からの、10分にも満たない移動時間で現実世界へのスイッチを入れれるように成長した自身の年齢が、少しだけ鬱陶しく感じつつ・・・2日間の時間を捲き戻す・・・。

 ・・・・相変わらずも刹那的な・・・諸行無常とはなんとも的確な言葉である。

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